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預り証の書き方|敷金・鍵・貴重品を預かるときの無料テンプレート

「賃貸の入居で敷金を渡したけれど、預り証をもらっていなかった…」「知人からしばらく大事なカメラを預かることになった」「お店で時計の修理を頼まれたお客様に、渡す紙が要る」――そんな場面で登場するのが**預り証(あずかりしょう)**です。

一時的にお金や物を預かるとき、口約束のままだと「そんな物受け取っていない」「もっと高価なものだった」「金額が違う」といった行き違いが起きがち。預り証は、そうした後々のトラブルを防ぐための、いわばお互いの安心のためのメモです。

この記事では、預り証の基本、必ず書いておきたい項目、印紙税の扱い、シチュエーション別の書き方の実例までを、初めての方向けにやさしく解説します。


預り証とは?借用書との違い

預り証とは、他人からお金や物を一時的に預かった側が、預けた人に対して「たしかにこの物(金額)をお預かりしました」と証明するために渡す書面です。原則として、あとで同じ物・同じ金額を返すことを前提にしています。

似ている書類に「借用書」がありますが、性質はまったく違います。

種類 目的 返すもの よくある場面
預り証 一時的な保管の証明 預かったモノ・金額そのもの 敷金、鍵、修理品、貴重品の一時預かり
借用書 貸し借りの約束 借りた金銭(利息をつけることも) 生活費・事業資金の貸付など
領収書 支払いの完了を証明 (返さない・売買や役務の対価) 商品代金、サービス料金の受領

借用書は「借りたお金を、あとで自由に使ってから返す」性格の書類。預り証は「あなたのものを、そのままの形で保管しておく」性格の書類、という違いがあります。

法律上は、民法の**「寄託(きたく)契約」**(民法657条以降/2026年7月時点)が預り証の根っこにあたります。物を預ける人(寄託者)と、預かる人(受寄者)の間で、「保管しますね」「お願いします」と合意するだけで成立するシンプルな契約です。


「無償」で預かるか「有償」で預かるかで責任が変わる

預かる側にとって、意外と知られていないポイントがあります。それはタダで預かるか、料金をもらって預かるかで、法律上の責任の重さが違うということです。

  • 有償で預かる場合(クリーニング店やコインロッカーなど):「善良な管理者の注意」(善管注意義務)で保管する義務があります。プロとして丁寧に扱う責任です。
  • 無償で預かる場合(友人の荷物、知人のカメラなど):「自分の財産と同じくらいの注意」で保管すれば足ります(民法659条)。義務としては少し軽くなります。

とはいえ、「タダなら壊しても大丈夫」というわけではありません。わざと壊した・普通ならしないような雑な扱いで壊したときは、無償でも損害賠償の対象になり得ます。預り証には、後から「どのような状態で預かったか」がわかるように書いておくと、返却時に「もともとキズがあった/なかった」の水掛け論を防げます。


預り証に必ず入れたい6つの項目

預り証にも決まった様式はありませんが、次の6項目を押さえておくとトラブルになりにくいです。

1. タイトル

「預り証」と大きく書きます。「保管証」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。

2. 預けた人(預け主)の氏名

「〇〇 様」と書きます。会社宛なら会社名も忘れずに。

3. 預かる物・金額

ここが預り証の中心です。具体的に、あとで見て何のことか特定できるように書きます。

  • 金銭の場合:「金五万円也(¥50,000-)」のように、漢数字と算用数字を併記
  • 物の場合:品名・数量・型番・色・シリアル番号・現在の状態など
    • 例:「腕時計 1点/メーカー:○○/型番:△△/文字盤:ブラック/裏蓋にキズあり」

4. 預かる目的・返却の条件

「なぜ預かるのか」「いつ返すのか」を明確にしておきます。

  • 「賃貸借契約に基づく敷金として」
  • 「修理のためお預かり、修理完了後にご返却」
  • 「〇月〇日まで一時保管、期日にご本人へ返却」

5. 預かった日付

実際に受け取った日を書きます。金銭の場合、銀行振込にしておけば通帳の記録が客観的な証拠になります。

6. 預かる側(受寄者)の署名・押印

本文の最後に、預かる側の住所・氏名・押印を入れます。会社の場合は会社名・部署・担当者名まで書くと、より安心です。


印紙は必要?金銭の預り証と印紙税の関係

「金銭の預り証にも収入印紙が要るのでは?」と気にされる方は多いのですが、ここは少し注意が必要です。国税庁の見解によれば、預り証の内容によって扱いが変わります。

まず大原則として、**寄託契約書(第14号文書)**にあたるものと、**金銭・有価証券の受取書(第17号文書)**にあたるものは別物として扱われます。同じ「預り証」というタイトルでも、書き方によってどちらに分類されるかが変わります。

預り証の中身 分類 印紙代の目安
「〇〇のために保管する」と寄託であることが明確 第14号文書(寄託に関する契約書) 一律 200円
単に「○円受け取りました」だけで寄託の趣旨が読み取れない 第17号文書(受取書)として扱われる場合あり 記載金額により変動(営業に関しないものは非課税)
敷金の預り証 第17号文書扱い 記載金額により変動(営業に関しないものは非課税)

判断が難しい部分ですが、押さえておきたいポイントは3つです。

  1. 個人同士のやりとり(営業に関しないもの)で単なる受取書扱いなら、印紙は不要なケースが多い
  2. 事業者が発行する営業に関する受取書は、5万円以上で印紙が必要(2026年7月時点)
  3. 寄託の性格がはっきりしている預り証(貴重品や品物の預かり)は、金額にかかわらず一律200円のケースがある

金額が大きい場合や、事業として発行する場合は、迷ったら管轄の税務署か税理士に確認するのが確実です。個人間で数万円を一時的に預かるだけであれば、実務上は印紙不要で運用されることがほとんどです。


【実例1】賃貸の敷金を預かるときの預り証

賃貸契約で敷金を受け取ったときには、必ず預り証を渡しましょう。退去時のトラブルで一番多いのが「敷金の返還額」に関するものだからです。

国土交通省の**「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」**(2026年7月時点)では、通常の使用による損耗(生活の中で自然に生じるスレやキズ)は借主の負担にはならない、というのが基本の考え方とされています。経過年数も考慮して負担割合を決めます。

こうした前提を踏まえ、敷金の預り証には次の要素を入れておくと親切です。

  • 預かった金額(「敷金として」と明記)
  • 対象物件の住所・部屋番号
  • 賃貸借契約書の締結日
  • 返還時期の目安(「賃貸借契約終了時、原状回復費用を差し引いた残額を返還する」など)
  • 貸主(大家・管理会社)の氏名・押印

「原状回復費用を控除する場合は、その内訳を書面で提示する」と一言添えておくと、退去時のやりとりがスムーズになります。


【実例2】鍵や貴重品を一時的に預かるときの預り証

留守中の合鍵、修理・クリーニング中の品物、旅行中のペットや荷物など、物品を預かるときも預り証を作っておくと安心です。

物品の場合、金銭よりも**「状態の記録」**が大切になります。返却時に「もともと動かなかったのか、預かっている間に壊れたのか」でトラブルになりやすいためです。

書き方のコツは次の3つ。

  • 見た目の特徴を細かく書く(色・型番・シリアル・付属品の有無)
  • 現状のキズ・汚れ・不具合を記録(「電源ボタンの周りに小さな塗装剥がれあり」など)
  • 可能なら受け渡し時の写真を撮って一緒に保管しておく

写真をスマホで数枚撮っておくだけで、後日の説明力が大きく変わります。


【実例3】お店で修理品を預かるときの預り証

時計・楽器・カメラ・自転車など、修理でお客様の物を預かるお店では、預り証は業務上必須の書類です。ここに書くべき項目は次のとおり。

  • お客様名・連絡先
  • 品物の詳細(品名・型番・シリアル・付属品)
  • 現在の状態・傷や不具合の記録
  • 修理内容・見積り金額
  • 見積り確定後の連絡方法(電話・メール等)
  • 引取り予定日・保管期限
  • 保管期限を過ぎた場合の取り扱い(「〇か月経過後は所有権を放棄いただく場合があります」など)

保管期限のルールを最初にきちんと書いておかないと、「引取りに来ないお客様の品物が倉庫を圧迫する」という別のトラブルにつながります。


よくある質問(FAQ)

Q. 手書きとパソコン作成、どちらがいい?

どちらでも法的な効力は同じです。ただし、預かる側の署名部分だけは自筆にしておくと、後で「サインをした覚えがない」といった否認を防げます。パソコンで本文を作り、末尾に自筆でサインをする形が使いやすいでしょう。

Q. 印鑑はシャチハタでも大丈夫?

少額の日常的な預かりならシャチハタでも実務的には通用しますが、金額が大きい場合や重要な物品の場合は認印以上(できれば会社の角印や個人の実印)を使うのが無難です。

Q. 預り証は何通作ればいい?

通常は預かる側が作成し、預けた側が1通保管する形で足ります。同じ内容を2通作って、預けた側と預かる側で1通ずつ持ち合っても構いません。金額が大きい場合は、2通作成のほうが安心です。

Q. 預かっているものを紛失・破損したらどうなる?

有償で預かっている場合は原則として損害賠償責任が発生します。無償の場合も、注意を怠ったと認められれば同様です。トラブル時にすぐ相談できるよう、預けた側の連絡先も預り証に書いておきましょう。

Q. 返却が終わったら預り証はどうする?

返却時に預かる側へ返してもらうか、目の前で破棄するのが一般的なマナーです。金銭の場合は、返却時に「領収書」または「受領書」を新たに交わすとより安心です。

Q. どうしても書き方が分からない場合は?

高額な貴重品、長期の預かり、事業上の重要書類などは、行政書士や弁護士に相談するのがおすすめです。地域の法テラスや無料相談会も活用できます。


まとめ:預り証は「返却時の安心」をつくる書類

預り証は、お金や物を「一時的に預かる」ときに、お互いの記憶と気持ちのズレを防ぐためのちいさな契約書です。

  • 何を、どのくらい、どんな状態で預かったかを具体的に書く
  • 目的と返却の条件を明記する
  • 敷金なら物件情報と契約情報も添える
  • 物品なら状態の記録と写真をセットで残す
  • 金額の大きな預かりは印紙税の扱いを確認する

「疑っているみたいで書きにくい」と感じる方もいらっしゃいますが、預り証はむしろ大切なやりとりを、双方が気持ちよく完了させるための道具です。書面が一枚あるだけで、「返した・返してもらっていない」の後味の悪いやりとりを、ぐっと減らすことができます。


記事の参考にした情報源

この記事は、以下の公式情報源を確認して執筆しています(2026年7月時点)。 制度・税制は改正されることがあるので、実際に書類を作る前に、 下記のリンク先で最新情報をご確認ください。


話し言葉で預り証を作ってみる

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出力された書面は、内容を確認して、預かった物の状態や返却条件を追記したうえで保管してください。高額の預かりや事業として発行する場合は、印紙税の扱いを念のため税理士や税務署に確認しておくと、より安心です。

話し言葉で預り証を作ってみる → /azukari

まずは1枚、作ってみることから始めてみましょう。