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譲渡合意書の書き方|物や権利をゆずるときの必要項目と注意点

自転車をお下がりであげたい、フリマで売った商品をきちんと引き渡した記録を残したい、家族に使わなくなったパソコンをゆずりたい。そんなとき、口約束だけだと「言った・言わない」でトラブルになることがあります。この記事では、個人間で物や権利をゆずるときに使う「譲渡合意書」の書き方を、必要な項目や注意点までやさしく解説します。フリマ売買や家族・友人間の受け渡しを想定した内容なので、はじめての方も安心して読み進めてください。

譲渡合意書とは

譲渡合意書とは、ある物や権利の「所有者」を、譲渡人(ゆずる人)から譲受人(もらう人)へ移すことに合意した内容を書面にしたものです。似た書類に「譲渡証明書」がありますが、こちらは一方的に「ゆずりました」と証明する単独の書面で、譲渡合意書は双方が署名して合意を残す形になります。

口約束でも法律上は契約が成立しますが、後日「聞いていない」「返してほしい」といった行き違いが起きることがあります。書面に残しておくと、いつ・誰から誰へ・何をゆずったかがはっきりし、お互い安心して受け渡しができます。

使うと安心な場面

譲渡合意書は、次のような場面でよく使われます。

  • 自転車をお下がりで家族や友人にゆずるとき
  • パソコン・スマホ・タブレットなど、個人情報が入っていた機器をゆずるとき
  • ゲーム機やカメラなど、比較的高価な中古品をフリマで売買したとき
  • 自作のイラストやハンドメイド作品の所有権をゆずるとき
  • 譲渡可能なチケットや会員権をゆずるとき

とくにスマホやパソコンは、後から「盗品ではないか」と疑われるのを避けるためにも、書面を残しておくと安心です。

自動車の名義変更には使えません(重要)

ここは間違えやすいので最初にお伝えします。自動車(普通車・軽自動車)の名義変更は、譲渡合意書だけでは手続きできません。

自動車の名義変更には、運輸支局(普通車)や軽自動車検査協会(軽自動車)が定めた専用の様式(譲渡証明書、印鑑証明書、委任状など)が必要になります。書類メーカーの譲渡合意書は、あくまで個人間の一般的な動産(物)や権利のゆずり渡しを想定したものです。

自動車・バイク(250cc超)・船舶などをゆずる場合は、必ず管轄の窓口の様式を使ってください。

ゆずる対象 譲渡合意書で対応できるか
自転車・パソコン・スマホ できる
ゲーム機・カメラ・家電 できる
自作作品・譲渡可能な権利 できる
自動車・軽自動車 できない(運輸支局の様式が必要)
バイク(250cc超) できない(専用様式が必要)

譲渡合意書に書く必要項目

譲渡合意書には、最低限次の5つを盛り込むと安心です。

1. 譲渡人・譲受人の情報

ゆずる人(譲渡人)ともらう人(譲受人)の氏名・住所を書きます。個人間なら住所は市区町村までで済ませることもありますが、後で連絡が取れるよう、番地まで書くのが一般的です。

2. 対象物の特定

「何をゆずったか」がはっきり分かるように書きます。 たとえばパソコンなら「メーカー名・型番・シリアルナンバー・色」、自転車なら「防犯登録番号・メーカー・車体番号」まで書いておくと、後で「その品ではない」と言われるトラブルを防げます。

3. 対価(有償か無償か)

いくらで受け渡したか、または無償なのかを明記します。書き方は後ほど詳しく解説します。

4. 引渡日

いつ引き渡したかを書きます。「令和◯年◯月◯日」と具体的な日付で。

5. 署名・押印

譲渡人・譲受人ともに、氏名を自筆で書き、押印します。押印はシャチハタでも法律上は有効ですが、認印(朱肉を使うもの)のほうが後々の証拠力は高まります。

対価の書き方(有償・無償)

譲渡合意書の対価欄は、書き方が2パターンあります。

有償の場合 「譲受人は譲渡人に対し、対価として金◯◯円を支払うものとする」と明記します。フリマの売買や、家族間でも実費を回収したい場合はこちらです。

無償の場合 「本件譲渡は無償とする」または「対価はないものとする」と書きます。お下がりや、プレゼントとしてゆずる場合はこちらです。

書き忘れると、後から「タダだと思っていた」「お金を払うつもりだった」で揉めることがあるので、必ずどちらかを書いておきましょう。

無償譲渡と贈与税に注意

無償でゆずる場合、金額によっては贈与税の対象になることがあります。

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間に、1人がもらった財産の合計が110万円を超えると対象になります(基礎控除110万円)。家庭用品や一般的な中古のスマホ・パソコンでは超えることは少ないですが、高価なブランド品・美術品・貴金属・多額の現金などをゆずる場合は注意が必要です。

判断に迷う金額のときは、税務署や税理士に相談すると安心です。

対価がある場合の消費税

個人が生活で使っていた中古品(いわゆる「生活用動産」)を個人間で売買する場合、原則として消費税はかかりません

事業として反復継続的に売買している場合は課税事業者にあたることもありますが、フリマで不用品を売る程度であれば、通常は非課税と考えられています。譲渡合意書では、消費税欄をわざわざ設けず「金◯◯円(税込)」とだけ書けば十分なことがほとんどです。

「現状有姿」の一文を入れておくと安心

中古品をゆずるときに入れておきたいのが「現状有姿(げんじょうゆうし)」の一文です。

たとえば次のように書きます。

譲受人は、本件対象物の状態を確認したうえで、現状有姿にて譲り受けることに同意する。

これは「今の状態のまま受け取りましたよ」という意味で、後から「傷があった」「動作がおかしい」とクレームになるのを防ぐ役割があります。ただし、譲渡人がわざと不具合を隠していた場合は、この一文があっても責任を問われることがあるので、正直に伝えることが大切です。

引渡し方法の書き方

引渡し方法もひとことでいいので書いておくと安心です。

方法 書き方の例
手渡し 「令和◯年◯月◯日、譲渡人の自宅にて手渡し」
宅配便 「令和◯年◯月◯日、宅配便にて発送(追跡番号◯◯)」
郵送 「令和◯年◯月◯日、書留にて発送」

宅配便で送る場合は、追跡番号を残しておくと、後から「届いていない」と言われたときに証明できます。

動産・不動産・権利で扱いが違います

譲渡合意書はいろいろな場面で使えますが、対象によって注意点が変わります。

  • 動産(自転車・家電・パソコンなど):基本的に譲渡合意書と現物の引渡しで所有権が移ります。
  • 不動産(土地・建物):譲渡合意書だけでなく、法務局での登記が必要になります。個人でのやり取りは避け、司法書士に相談するのが一般的です。
  • 権利(会員権・売掛金など):譲渡が認められているかを事前に確認してください。会員規約で譲渡禁止となっているものもあります。

不動産や高額な権利のやり取りは、専門家に相談すると安心です。

FAQ よくある質問

Q1. 収入印紙は必要ですか? A. 無償譲渡の合意書には、原則として印紙は不要です。有償で、かつ「不動産」など印紙税法上の課税文書にあたる場合は必要になることがあります。一般的な物のやり取りでは、多くの場合不要と考えられています。

Q2. 譲渡合意書は何通作ればいいですか? A. 譲渡人と譲受人でそれぞれ1通ずつ、合計2通作って各自が保管するのが一般的です。

Q3. 手書きでもいいですか? A. 手書きでもパソコンで作成しても、どちらでも有効です。ただし、氏名の署名部分は自筆にしておくと証拠力が高まります。

Q4. あとから内容を変更したいときはどうすればいいですか? A. お互いの合意があれば「覚書」を作って追加・変更できます。元の合意書を修正液で消すのではなく、新しい書面を作るのがおすすめです。

Q5. 相手が署名してくれない場合は? A. 譲渡合意書は双方の合意が前提です。署名を拒む相手とは、そもそも無理に譲渡を進めないほうが安心です。事情があるときは、弁護士など専門家に相談してください。

話し言葉で譲渡合意書を作ってみる

譲渡合意書は、必要項目さえ押さえれば個人でも十分に作れる書類です。ただ、いざ書こうとすると「対価はどう書けばいい?」「現状有姿の一文はどう入れる?」と手が止まってしまうもの。

書類メーカーなら、話し言葉で伝えるだけで譲渡合意書のたたき台がすぐにできあがります。まずは気軽に試してみてくださいね。

話し言葉で譲渡合意書を作ってみる → /joto