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借用書の書き方をやさしく解説|家族間・少額から使える無料テンプレート付き

「親から住宅資金を借りることになった」「友人にお金を貸すけれど、口約束のままで大丈夫かな…」――そう感じたときが、借用書をつくるタイミングです。友人との数万円、親から子への学費援助、フリーランスの前払い金など、身近な場面ほど「言った・言わない」のトラブルは起きやすいもの。

この記事では、法律にくわしくない方に向けて、借用書に書くべき項目、収入印紙の目安、利息の上限、家族間で作るときの注意点までを、順を追ってやさしく解説します。読み終わるころには、自分で一枚つくれるようになっているはずです。


借用書とは?「金銭消費貸借契約書」との違い

借用書とは、お金を借りた人(借主)が貸した人(貸主)に対して、「たしかにこの金額を借りました。いつまでに返します」と約束したことを書き残す書面です。基本的には借主が一方的にサインして貸主に渡すスタイルで、貸主が「返してもらう権利がある証拠」として保管します。

似たものに「金銭消費貸借契約書(きんせんしょうひたいしゃくけいやくしょ)」があります。こちらは貸主と借主の両方が署名押印して、それぞれが1通ずつ保管する契約書です。より正式で、大きな金額や事業性の取引ではこちらが使われます。

種類 署名 保管 よく使う場面
借用書 借主のみ 貸主が1通保管 家族・友人間の少額の貸し借り
金銭消費貸借契約書 貸主・借主 双方が1通ずつ 高額な貸付、事業性のある取引

家族間・友人間の日常的な貸し借りなら、まずは借用書で十分なケースが多いです。


借用書に必ず入れたい7つの項目

借用書に決まった様式はありませんが、次の7項目を押さえておくと安心です。ひとつでも欠けると、後で「金額が違う」「期限を聞いていない」といったトラブルの元になりかねません。

1. タイトル

「借用書」または「金銭借用証書」と冒頭に書きます。何の書類か一目で分かるようにするためです。

2. 当事者(貸主・借主の氏名と住所)

貸主の氏名を「〇〇殿」と書き、末尾に借主のフルネームと住所を書きます。同姓同名の可能性があるので、住所も併記しておくと安心です。

3. 借入金額

「金五十万円也(¥500,000-)」のように、漢数字と算用数字を併記するのが一般的です。「壱・弐・参・拾・百・仟・萬」といった大字(だいじ)を使うと、あとから数字を書き足される改ざん防止になります。

4. 借入日(お金を受け取った日)

実際にお金を受け取った日を書きます。銀行振込にしておくと、この日付が通帳の記録で客観的に裏づけられます。

5. 返済期限

「令和◯年◯月◯日までに全額返済する」など、具体的な日付を書きます。分割で返す場合は「毎月末日に◯円ずつ返済し、令和◯年◯月末日に完済する」といった書き方でOKです。

6. 利息と返済方法

利息をつける場合は「年◯%」と明記します。無利息なら「利息は無利息とする」と書いておくと、あとから請求されるトラブルを避けられます。返済方法は「貸主指定の銀行口座に振り込む(振込手数料は借主負担)」のように書くと、毎回揉めません。

7. 借主の署名・押印

本文の最後に、作成日・借主の住所・氏名を書き、押印します。署名だけは自筆にするのが基本です。認印でも法的効力はありますが、実印+印鑑証明があればより確実です。


収入印紙はいくら必要?金額別の目安

借用書は印紙税法上の「消費貸借に関する契約書」にあたり、借入金額に応じて収入印紙を貼る必要があります。

借入金額 印紙代
1万円未満 不要
1万円以上 10万円以下 200円
10万円超 50万円以下 400円
50万円超 100万円以下 1,000円
100万円超 500万円以下 2,000円
500万円超 1,000万円以下 10,000円

収入印紙は郵便局やコンビニで購入できます。書類に貼ったあと、印紙と書類にまたがるように印鑑を押して「消印」しましょう。これを忘れると、印紙を貼っていないのと同じ扱いになります。

なお、印紙を貼り忘れても契約自体は有効ですが、税務署から本来の印紙代の3倍の過怠税を求められる可能性があります。少額でも念のため貼っておくと安心です。


利息は何%まで?利息制限法の上限

「友達に貸すのに利息なんて…」という場合は無利息でかまいませんが、利息をつけるときは利息制限法という法律で上限が決まっています。これを超える利息は、超えた部分が無効になります。

元本 年利の上限
10万円未満 20%
10万円以上 100万円未満 18%
100万円以上 15%

たとえば50万円を貸すなら年18%が上限。それ以上の利率を書いても、超えた分は請求できません。返済が遅れたときの「遅延損害金」を設定する場合も、上限の1.46倍までという制限があります。

なお、民法上、個人間の貸借は無利息が原則です。利息を取りたい場合は、必ず借用書に明記しましょう。


【実例】親から住宅資金300万円を借りるケース

家族間の貸し借りで一番相談が多いのがこのパターンです。ポイントは「贈与とみなされないこと」。年間110万円を超える贈与には贈与税がかかるため、大きな金額を援助してもらうときは要注意です。

税務署から「本当は贈与では?」と疑われないために、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 借用書をきちんと作る:金額・返済期限・利息・返済方法を明記
  • 返済は必ず銀行振込で行う:毎月の返済記録を通帳に残す
  • 返済期限を親の平均寿命内に設定する:「一生かかっても返せない金額を長期で返す」といった非現実的な設定は贈与とみなされやすい
  • 借入額を借主の返済能力に見合ったものにする:たとえば年収300万円の人が3億円を無利息で借りるといった、明らかに非現実的な条件は形式を整えても贈与と判断されることがあります

無利息そのものが直ちに問題になるわけではありませんが、金額が大きい場合は年1〜2%程度の低い利率を設定しておくとより安心です。心配な場合は税理士に相談してみましょう。


連帯保証人を頼むときの注意

金額が大きい場合、貸主から「連帯保証人をつけてほしい」と言われることがあります。連帯保証人は、借主が返済しないときに借主とまったく同じ立場で全額を返す責任を負う人です。しかも、貸主は「まず借主に請求してください」と言えず、いきなり保証人に請求できます(催告の抗弁権がありません)。

2020年の民法改正で、個人が事業用融資の連帯保証人になる場合は公証人による意思確認が必要になりました。個人間の借用書ではそこまで求められませんが、それだけ重い契約だという証拠でもあります。

親しい間柄でも、安易に頼まない・引き受けない。これが基本です。


よくある質問(FAQ)

Q. 手書きとパソコン作成、どちらがいい?

どちらでも法的効力は同じです。ただし、借主の署名部分だけは自筆にしておくと、筆跡が証拠になり安心です。パソコンで作成した本文に自筆でサインする形が、読みやすさと証拠力のバランスがよくおすすめです。

Q. 印鑑はシャチハタでもいい?

避けたほうが無難です。認印か実印を使いましょう。金額が大きい場合は、実印+印鑑証明を添えるとより確実です。

Q. 収入印紙を貼り忘れたら契約は無効?

契約自体は有効です。ただし、税務署に指摘されると本来の印紙税額の3倍の過怠税が発生する可能性があります。

Q. 借用書を紛失したら?

貸主が紛失すると、返済を請求する証拠が弱くなります。作成したらスマホで写真を撮る、スキャンして電子データで残しておく、といったバックアップをおすすめします。

Q. 返済が終わったら借用書はどうする?

全額返済されたら、貸主から借主に借用書を返却するか、目の前で破棄するのが一般的なマナーです。「完済証明書」や返済完了と書いた領収書を渡すと、より確実です。

Q. どうしても書き方が分からない場合は?

金額が大きい、返済が長期にわたる、事業性の貸付、離婚に伴う金銭の取り決めなど、条件が複雑なときは司法書士や弁護士に相談すると安心です。地域の法テラスでは無料相談も受け付けています。


まとめ:借用書は「気持ち」ではなく「記録」

借用書は、貸し借りの事実を残すだけでなく、お互いの信頼を守るためのやさしい仕組みでもあります。「信頼していないから書く」ではなく、「信頼しているからこそ書いておく」――そう考えると、少し気が楽になるはずです。

  • 必要な7項目を漏れなく書く
  • 印紙代は金額に応じて貼る(1万円未満は不要)
  • 利息は利息制限法の上限内で
  • 家族間でも銀行振込で証拠を残す
  • 連帯保証人は慎重に

このあたりを押さえておけば、初めての借用書でも安心して作れます。


話し言葉で借用書を作ってみる

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完成した書面は、内容を確認したうえで、必要な収入印紙を貼って保管してください。金額が大きい場合や不安がある場合は、専門家に一度目を通してもらうと、より安心です。

話し言葉で借用書を作ってみる → /shakuyo

まずは1枚、作ってみることから始めてみましょう。