収入印紙はどの書類にいくら必要?|一覧表・買える場所・消印の押し方まとめ
「領収書を書いたけれど、印紙って貼るんだっけ?」「借用書に貼る印紙はいくら?」「そもそもどこで買えるの?」――書類を作るたびに、収入印紙の疑問はついて回ります。
書類の種類ごとにルールが違ううえ、貼り忘れにはペナルティもあるので、なんとなく不安なまま済ませている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、どの書類にいくらの印紙が必要かの一覧表、買える場所、消印の正しい押し方、貼り忘れたときの過怠税、そして「電子データなら印紙は不要」という話まで、収入印紙の疑問をまとめて解決します。
ここを1ページ読めば、日常の書類作成で印紙に迷うことはほぼなくなるはずです。
そもそも収入印紙とは?なぜ貼るの?
収入印紙は、印紙税という国の税金を納めるための切手のような証票です。
契約書や領収書など、法律(印紙税法)で決められた「課税文書」を紙で作成すると、その文書に印紙を貼って納税する義務が生まれます。
ポイントは、すべての書類に印紙が必要なわけではないこと。
印紙税がかかるのは法律で定められた20種類の文書だけで、委任状や見積書のように、そもそも課税対象にならない書類もたくさんあります。
まずは「自分の作る書類は課税対象か」を確認するのが第一歩です。
どの書類に印紙が必要?書類別まるごと一覧
書類メーカーで作れる書類を「必要」「不要」「内容による」の3つに分けると、次のようになります(2026年7月時点)。
印紙が必要になる代表的な書類
| 書類 | 印紙税法上の区分 | 目安 |
|---|---|---|
| 借用書 | 第1号文書(消費貸借に関する契約書) | 借入金額に応じて200円〜 |
| 領収書 | 第17号文書(金銭の受取書) | 受取金額5万円以上で200円〜 ※営業に関するもののみ |
| 売買契約書(不動産) | 第1号文書(不動産の譲渡に関する契約書) | 契約金額に応じて課税。軽減措置が設けられている場合があるので国税庁サイトで確認を |
| 注文請書 | 第2号文書(請負に関する契約書) | 契約金額に応じて200円〜 |
印紙が不要な書類
次の書類は課税文書にあたらないため、金額の大小にかかわらず印紙は不要です。
内容によって変わる書類
- 覚書・念書:それ自体は様式の名前にすぎず、書かれている中身で判断されます。
たとえば金銭の貸し借りや請負の内容を約束する覚書なら、課税文書になることがあります。 - 譲渡契約書:不動産の譲渡は課税、パソコンや家具など動産の売買は原則不課税、と対象物で変わります。
- 預り証:金銭を預かったことを証明するものは課税対象になることがあります。
物品の預り証なら原則不要です。
迷ったら「お金の受け渡し・貸し借り・請負を証明する紙か?」と考えると、おおまかな見当がつきます。
いくらの印紙を貼る?金額別早見表
借用書(第1号文書)
| 借入金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 1万円未満 | 非課税 |
| 1万円以上 10万円以下 | 200円 |
| 10万円超 50万円以下 | 400円 |
| 50万円超 100万円以下 | 1,000円 |
| 100万円超 500万円以下 | 2,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 10,000円 |
書き方の基本から知りたい方は、借用書の書き方ガイドもあわせてどうぞ。
注文請書(第2号文書)
請負の契約金額が1万円未満なら非課税、1万円以上100万円以下なら200円、100万円超200万円以下なら400円…と段階的に上がります。
見積書や発注書は不課税なのに、請書だけ課税されるのが間違えやすいポイント。
詳しくは見積書・発注書・請書の流れの解説記事で説明しています。
領収書(第17号文書)
| 受取金額 | 印紙税額 |
|---|---|
| 5万円未満 | 非課税 |
| 5万円以上 100万円以下 | 200円 |
| 100万円超 200万円以下 | 400円 |
| 200万円超 300万円以下 | 600円 |
| 300万円超 500万円以下 | 1,000円 |
| 500万円超 1,000万円以下 | 2,000円 |
大切なのは、課税されるのは「営業に関する」受取書だけということ。
フリマで私物を売った、友人に貸したお金を返してもらった――こうした個人のプライベートなやり取りで発行する領収書は「営業に関しない受取書」として非課税です(2026年7月時点)。
領収書の基本は領収書の書き方ガイドで詳しく解説しています。
収入印紙はどこで買える?
| 買える場所 | 特徴 |
|---|---|
| 郵便局 | 全31種類の額面を扱う基本の購入場所。支払いは原則現金 |
| コンビニ | 多くの店舗で扱うのは200円券のみ。夜間や休日に1枚だけ欲しいときに便利 |
| 法務局 | 全額面を扱う。登記などのついでに買える |
日常の書類で使うのはほとんどが200円券なので、急ぎならまずコンビニ、400円以上の券が必要なら郵便局、と覚えておけば困りません。
消印の正しい押し方
印紙は貼るだけでは納税が完了しません。
印紙と文書にまたがるように印を押す(またはサインする)「消印(けしいん)」が必要です。
印紙の再利用を防ぐための仕組みです。
消印のルールは意外とゆるやかで、次のいずれでもかまいません。
- 押す印鑑は、文書に押した印鑑と同じでなくてもよい
- 文書の作成者本人でなく、代理人や従業員の印・署名でもよい
- 印鑑の代わりに、ボールペンなどによる自筆の署名でもよい
- 契約書を2人で作った場合、どちらか1人が消せば足りる
一方、鉛筆書きの署名、単に斜線を引く、「印」とだけ書く――これらは消印として認められません。
あとから消せる筆記具や記号ではなく、「誰が消したか分かる印か署名」と覚えておきましょう。
貼り忘れるとどうなる?過怠税のはなし
印紙を貼り忘れても、契約そのものは有効です。
借用書の効力がなくなったりはしません。
ただし税金の面ではペナルティがあります(2026年7月時点)。
| ケース | 過怠税 |
|---|---|
| 税務調査などで貼り忘れを指摘された | 本来の印紙税額の3倍 |
| 調査を受ける前に自主的に申し出た | 本来の印紙税額の1.1倍に軽減 |
| 印紙は貼ったが消印を忘れた | 貼った印紙の額面と同額 |
たとえば2,000円の印紙を貼り忘れて指摘されると6,000円。
しかも過怠税は経費(損金)になりません。
「気づいた時点で自主的に税務署へ申し出れば1.1倍で済む」ことは、ぜひ覚えておいてください。
電子データで作れば印紙は不要
実は、印紙税が課されるのは紙の文書を作成したときだけです。
PDFをメールで送る、電子契約サービスで締結する、といった電子データのやり取りには印紙税がかかりません。
国税庁(福岡国税局の文書回答)でも、注文請書を電子メールで送信した場合は課税されないという見解が示されています。
高額の契約ほど印紙代も大きくなるので、「電子で締結して印紙代ゼロ」は現実的な選択肢です。
電子契約の法的な有効性やサインの方法については、電子契約は法的に有効?
の解説記事で詳しくまとめています。
ただし注意点がひとつ。
電子で送ったあとに紙の原本を印刷して相手に渡すと、その紙は課税対象になります。
電子で完結させることが条件です。
よくある質問(FAQ)
Q. 消印はシャチハタでもいい?
消印に限っては、ゴム印でも差し支えないとされています。
日付印や会社のゴム印でも大丈夫です。
ただし契約書本体への押印は認印以上が無難なので、「本文は認印、消印は手近な印でも可」と使い分けると迷いません。
Q. 間違った金額の印紙を貼ってしまったら?
貼り間違えた文書を税務署に持って行き、「印紙税過誤納確認申請」をすると還付を受けられます。
剥がして使い回すのはNGです。
Q. 個人間の借用書にも印紙は必要?
必要です。
領収書と違って、消費貸借契約書(借用書)には「営業に関しないものは非課税」という規定がないため、家族間・友人間でも借入金額1万円以上なら印紙を貼ります。
Q. 契約書のコピーにも印紙は必要?
単なるコピー(控え)には不要です。
ただしコピーに改めて署名・押印をして「もう1通の原本」として扱う場合は、そちらにも印紙が必要になります。
Q. 印紙代はどちらが負担する?
法律上は文書の作成者が納税義務者で、契約書のように双方が作成する文書は連帯して負担します。
実務では「各自が保管する分は各自負担」とするのが一般的です。
まとめ:印紙の判断は「3ステップ」で
- ステップ1:課税文書かどうかを確認(委任状・見積書・納品書・請求書などは不要)
- ステップ2:金額で税額を確認(借用書は1万円以上、領収書は営業に関するもので5万円以上から)
- ステップ3:貼ったら必ず消印(印でも署名でもOK)
貼り忘れに気づいたら自主的に申し出れば1.1倍で済むこと、電子データなら印紙自体が不要なこと。
この2つも覚えておくと、いざというとき慌てずに済みます。
記事の参考にした情報源
この記事は、以下の公式情報源を確認して執筆しています(2026年7月時点)。
制度・税制は改正されることがあるので、実際に書類を作る前に、
下記のリンク先で最新情報をご確認ください。
- 第1号・第2号文書の印紙税額:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
- 第17号文書(領収書)の印紙税額:国税庁「No.7141 印紙税額の一覧表(その2)第5号文書から第20号文書まで」
- 個人間の領収書が非課税になる理由:国税庁「No.7125 営業に関しない受取書」
- 消印の方法(誰の印・署名でもよい):国税庁 質疑応答事例「印紙の消印の方法」
- 貼り忘れの過怠税(3倍・自主申告1.1倍):国税庁「No.7131 印紙税を納めなかったとき」
- 電子データに印紙税がかからない根拠:福岡国税局 文書回答「注文請書を電磁的記録に変換して電子メールで送信した場合の印紙税の課税関係」
- 収入印紙の購入場所など民間実務の相場・慣行に関する部分は、複数の実務記事・専門家サイトを参照しつつ、当サービスで加筆修正しています。
話し言葉で書類を作ってみる
「印紙のルールは分かったけれど、肝心の書類を作るのが大変…」という方は、話し言葉で入力するだけでたたき台ができる無料ツール「書類メーカー」を使ってみてください。
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書類メーカーの各書類ページでは、金額に応じた印紙税の目安も一緒に表示されるので、この記事の早見表とあわせてご活用ください。
まずは1枚、作ってみることから始めてみましょう。