書類メーカー

個人間の貸し借りの利息はいくらまで?利息制限法の上限と書き忘れたときのルール

個人間でお金を貸し借りするとき、意外と迷うのが「利息」です。
「友人からは取りにくいけど、長期になるなら少しは…」「そもそも個人が利息を取っていいの?」「上限はあるの?」

結論を先にまとめると:

  • 個人間の貸し借りでも、合意があれば利息をつけてよい
  • ただし上限がある:年15〜20%(金額により異なる。利息制限法)
  • 利息の約束を書かなかった場合、利息は請求できないのが原則
  • 返済が遅れたときの遅延損害金には法定利率 年3%が適用される(約束がない場合)

この記事では、それぞれの根拠と、借用書への書き方を順に解説します。


利息はつけてもいい。ただし「書面に明記」が大前提

個人間の金銭の貸し借り(金銭消費貸借)では、利息をつけるかどうかは当事者の自由です。
ただし民法上、貸主が利息を請求できるのは「利息の特約があるとき」だけ(民法589条)。
つまり、約束していない利息は、あとから請求できません

「利息をもらうつもりだったのに書き忘れた」はよくある失敗です。
利息をつけるなら、必ず借用書や金銭消費貸借契約書に「年◯%」と明記しましょう。


上限は年15〜20%(利息制限法)

利息は自由に決められるといっても、上限があります。
利息制限法1条が定める上限はこちらです。

元本の額 利息の上限(年)
10万円未満 20%
10万円以上100万円未満 18%
100万円以上 15%

上限を超えた部分の利息は無効です。
たとえば50万円を年20%で貸す約束をしても、上限の18%を超える部分は法的に効力がありません。

個人間の一般的な貸し借りで、ここまで高い利率を設定することはまれですが、「上限がある」ことは知っておきましょう。


遅延損害金の上限は「1.46倍」

返済が遅れたときのペナルティとして設定する「遅延損害金」にも上限があります。
利息制限法4条により、上の表の利率の1.46倍までです。

元本の額 遅延損害金の上限(年)
10万円未満 29.2%
10万円以上100万円未満 26.28%
100万円以上 21.9%

実際の個人間の書面では、「年14.6%」や「年3%」など、もっと穏当な利率で設定するのが一般的です。


利息を書かなかったら? 法定利率「年3%」の出番

利息そのものは請求できない

前述のとおり、利息の特約がなければ利息は発生しません。
個人間の貸し借りは、何も書かなければ無利息ということです。

返済が遅れたときは法定利率3%

一方、返済期限を過ぎても返してもらえない場合の遅延損害金は、特約がなくても法定利率で請求できます。
法定利率は現在年3%です。

法定利率は3年ごとに見直される変動制ですが、法務省の告示により、2026年4月1日から2029年3月31日までの第3期も年3%で据え置きが確定しています。
この記事の執筆時点(2026年8月)で有効な利率は年3%です。


具体例で計算してみる

例:100万円を年3%・1年後に一括返済で貸した場合

  • 利息 = 100万円 × 3% × 1年 = 3万円
  • 1年後に受け取る合計 = 103万円

例:50万円を無利息で貸し、返済期限を3か月過ぎている場合

  • 遅延損害金 = 50万円 × 3%(法定利率) × 3/12年 = 3,750円

利率・期間・元本をかけ算するだけなので、書面に利率さえ明記してあれば、後からもめずに計算できます。


無利息にするときの注意(特に家族間)

友人・知人間の少額の貸し借りなら、無利息でまったく問題ありません。
「無利息とする」と一言書いておきましょう。

注意したいのは家族間で高額を無利息で貸すケースです。
税務上、無利子で借りた利益(利息相当分)が贈与として扱われることがあります
詳しくは親子・家族間の借用書の記事で解説しています。


借用書への書き方の例

利息まわりで借用書に書いておきたいのは、次の2行です。

第◯条(利息)
 利息は年3.0%とし、元金とともに支払う。

第◯条(遅延損害金)
 期限までに支払わないときは、支払期日の翌日から完済まで、
 年6.0%の割合による遅延損害金を支払う。

無利息にする場合は、利息の条項を「利息は付さない(無利息とする)」に置き換えます。
条項全体の並べ方は、金銭消費貸借契約書のテンプレートを参考にしてください。


よくある質問(FAQ)

Q. 個人が利息を取ると、貸金業になってしまわない?

友人・家族への1回限りの貸し付けのような場合は、事業として(反復継続して)行うわけではないので、通常は貸金業にあたりません。
不特定多数に繰り返し貸すような形になると登録が必要な世界になるため、そうした予定がある場合は専門家にご相談ください。

Q. 受け取った利息に税金はかかる?

個人が受け取った利息は、原則として雑所得として所得税の対象になります。
少額でも、確定申告が必要かどうかはその方の所得状況によります。
金額が大きい場合は税理士や税務署にご確認ください。

Q. 「トイチ」みたいな高利は約束したら有効?

無効です。
利息制限法の上限(年15〜20%)を超える部分は、約束しても効力がありません。
さらに年109.5%を超えるような著しい高利は、出資法により刑事罰の対象にもなります。

Q. 利率は「月◯%」で書いてもいい?

有効ですが、上限の判定は年利に換算して行われます。
誤解を避けるため、年利で書くのがおすすめです。


まとめ:利息は「書いた分だけ」

  • 個人間でも利息はつけられるが、書面に書いた場合だけ請求できる
  • 上限は元本に応じて年15〜20%(利息制限法)。
    超えた部分は無効
  • 遅延損害金の上限はその1.46倍
  • 何も書かなければ無利息。
    ただし返済遅延には法定利率 年3%(2026年4月以降も据え置き)で請求できる
  • 家族間の高額・無利息は贈与税の論点があるため要注意

利息は感情的にもめやすいテーマだからこそ、貸すときに1行書いておく。
それだけで、お金と関係の両方を守れます。


記事の参考にした情報源

この記事は、以下の公式情報源を確認して執筆しています(2026年8月時点)。
法令・利率は変わることがあるので、実際に書類を作る前に、下記のリンク先で最新情報をご確認ください。


話し言葉で借用書のたたき台を作ってみる

利率が決まったら、あとは書面にするだけ。
「条文の形にするのが難しい」というときは、話し言葉で入力するだけでたたき台ができる無料ツール「書類メーカー」を使ってみてください。

「同僚に30万円を貸す。利息は年3%。来年の12月末までに毎月末に返してもらう」――こんなふうに普段のことばで入力するだけで、AI(Claude Opus)が項目を読み取り、あらかじめ用意されたひな形に流し込んで借用書のたたき台にします。
無料・登録不要でお使いいただけます。

話し言葉で借用書を作ってみる →

まずは1枚、作ってみることから始めてみましょう。