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請求書・領収書の保存期間は何年?メールで届いたPDFは印刷保存でいい?

確定申告が終わってホッとしたあと、机の上に積み上がった請求書と領収書の山を見て思うこと――「これ、いつまで取っておけばいいんだろう?」

さらに最近は、請求書がメールにPDFで届くことも増えました。
「印刷してファイルに綴じれば大丈夫」と思っている方は要注意です。
2024年1月から、メールなどでやり取りした請求書・領収書は「データのまま」保存することが義務になりました

この記事では、国税庁の資料をもとに、保存期間の年数と、電子データの保存ルールをやさしく整理します。
とくに個人事業主の方には、「売上5,000万円以下なら要件が緩くなる」という大事な特例もあわせて解説します。


まず結論:紙の書類は「5年」でOK

請求書や領収書などの書類は、青色申告でも白色申告でも5年保存が基本です。

区分 帳簿 請求書・領収書・納品書などの書類
青色申告 7年 5年
白色申告 法定帳簿7年/任意帳簿5年 5年

「帳簿は7年、書類(請求書・領収書)は5年」と覚えておけば大丈夫です。

ただし、消費税の課税事業者は「7年」に注意

インボイス制度に登録している方など、消費税の課税事業者は、仕入税額控除を受けるために請求書等を7年保存する必要があるとされています。
迷ったら7年にそろえておくのが安全です。
捨てるのは、いつでもできます。


2024年から義務化された「電子取引データ保存」

ここからが本題です。
国税庁は、電子取引データについてこう定めています。

取引に関して、書面でやりとりしていた場合に保存が必要な書類(注文書・契約書・送り状・領収書・見積書・請求書など)に相当する電子取引データを受領又は交付した場合、その電子取引データの電子保存が義務付けられています。

つまり、メールで届いた請求書PDFを印刷して、データを消してしまうのはNGということです。

対象になるもの(よくある例)

  • メールにPDFで添付されて届いた請求書・領収書
  • 自分がメールでPDFを送った請求書
  • ネット通販(Amazon・楽天など)の領収書をダウンロードしたもの
  • クレジットカードや電子マネーの利用明細をWeb上で受け取ったもの

対象にならないもの

  • 紙で受け取った請求書・領収書(従来どおり紙で保存すればOK)

「紙は紙のまま、データはデータのまま」――これが基本のルールです。


電子データ保存の3つのルール

国税庁は、原則的な保存ルールを3つ挙げています。

① 改ざん防止のための措置をとること

次のいずれかが必要です。

  • タイムスタンプが付与されたデータを受領する
  • 受領したデータにタイムスタンプを付与する
  • 訂正・削除の履歴が残るシステム等で授受・保存する
  • 改ざん防止のための事務処理規程を策定・運用・備付けする

個人事業主が一番現実的なのは4つめです。
国税庁がサンプル(ひな形)を公開しているので、それをダウンロードして自分の名前を入れて保管しておけば対応できます。
専用システムの導入は必須ではありません。

② ディスプレイやプリンタ等を備え付けること

保存データを確認できるパソコンとプリンタがあれば満たせます。
ふつうに仕事をしていれば問題ありません。

③ 「日付・金額・取引先」で検索できること

3つの要素で検索できる状態にしておく必要があります。
加えて、範囲指定検索・組み合わせ検索ができること、または税務調査等の際にダウンロードの求めに応じられることが求められます。


個人事業主にうれしい2つの緩和

緩和その1:売上5,000万円以下なら検索要件が不要

国税庁の資料には、こう注記されています。

「基準期間(2年(期)前)の売上高が5,000万円以下の方」等は、電子取引データのダウンロードの求めに応じることができるようにしていれば、③の検索要件を満たす必要はありません。

多くの個人事業主・フリーランスがここに当てはまります。
税務調査でデータを出せるようにしておけば、検索できる形に整える必要はないということです。

緩和その2:検索が必要でも「ファイル名」で対応できる

検索要件を満たす必要がある場合でも、専用ソフトは必須ではありません。
国税庁は次の簡易な方法を示しています。

  • 表計算ソフトで索引簿を作る(連番・日付・金額・取引先の一覧表)
  • 規則性をもったファイル名(日付_金額_取引先の順)を付けて、1つのフォルダに集約する

ファイル名の例:

20240331_110000_(株)霞商店.pdf
20240210_330000_国税工務店(株).msg
20241217_220000_(株)霞商店.msg

この形でフォルダに入れておけば、パソコンのファイル検索で日付・金額・取引先のどれからでも探せます。


間に合わない場合の「猶予措置」

「ルールを知ったけど、いますぐ全部は無理…」という方のために、猶予措置があります。
次の両方を満たす場合は、電子取引データを保存しておくだけで大丈夫とされています。

  1. 原則的な保存ルールに従って保存できなかったことについて、所轄税務署長が「相当の理由」があると認める場合
    • 事前の届出は不要
    • 「人手不足」「システム整備の資金不足」「システム整備が間に合わない」なども相当の理由として認められる
  2. 税務調査の際に、データのダウンロードの求めと、プリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じられるようにしている場合

ポイントは、国税庁の資料にある通り「まずは、電子取引データを消さずに保存すること」
ここさえ押さえておけば、いきなり大問題になることはありません。


今日からできる保存のしかた(おすすめ手順)

  1. パソコンに「請求書_2026」のようなフォルダを1つ作る
  2. メールで届いた請求書・領収書のPDFを、日付_金額_取引先 のファイル名にして入れる
  3. 自分が送った請求書のPDFも同じフォルダへ
  4. 国税庁のサンプルをもとに「事務処理規程」を1枚作って一緒に保管
  5. クラウドやバックアップに定期的にコピー(パソコンが壊れても消えないように)

会計ソフトを使っている場合は、請求書の発行・保存・検索がまとめて対応できるものもあります。
手作業のフォルダ管理が負担なら、そうしたサービスを検討するのも一つの方法です。


よくある質問(FAQ)

Q. スキャンした紙の領収書はどうなる?

紙で受け取った領収書は、そのまま紙で保存すれば問題ありません。
スキャンしてデータで保存する方法(スキャナ保存)もありますが、こちらは別の要件があるため、無理に取り組む必要はありません。

Q. 保存期間の5年・7年は、いつから数える?

原則として、その年の確定申告期限の翌日から数えます。
2026年分(2027年3月申告)なら、2027年3月16日ごろが起点です。

Q. データが消えてしまったら?

パソコンの故障やクラウドの解約でデータが失われると、保存義務を果たせません。
外付けHDDやクラウドに二重で置くのが安全です。

Q. 電子データを紙に印刷して保存するのはダメ?

原則としてデータのまま保存が必要です。
ただし前述の猶予措置に当てはまる場合は、データを消さずに残したうえで印刷物を併用する形が認められます。

Q. 領収書に貼る収入印紙のルールは?

保存とは別に、5万円以上の領収書には収入印紙が必要です(営業に関しないものは非課税)。
詳しくは領収書の基本の記事収入印紙の記事をご覧ください。


まとめ:紙は5年、データは「消さずにそのまま」

  • 請求書・領収書などの書類は5年保存(帳簿は7年。消費税の課税事業者は7年にそろえると安全)
  • 2024年1月から、メール等でやり取りした請求書・領収書はデータのまま保存が義務
  • 保存ルールは①改ざん防止②ディスプレイ等の備付け③日付・金額・取引先で検索
  • 売上5,000万円以下なら③の検索要件は不要(ダウンロードに応じられればOK)
  • 検索が必要でもファイル名を「日付_金額_取引先」にすれば対応できる
  • 間に合わない場合は猶予措置あり。
    まずはデータを消さずに保存すること

難しく考えず、「フォルダを1つ作って、決まった名前で入れる」。
ここから始めれば十分です。


記事の参考にした情報源

この記事は、以下の公式情報源を確認して執筆しています(2026年8月時点)。
制度は改正されることがあるので、実際の対応前に下記のリンク先で最新情報をご確認ください。


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作ったPDFは、この記事のルールどおりファイル名を付けて保存しておきましょう。